MAS監査の目的

「MAS監査」とは、将来の見通しを持たずに会社を経営するのではなく、財務の視点からの経営計画を元に、会社の目標達成ができるようにサポートしていくことをいいます。

通常の毎月の会計業務は、すでに終わった取引について経営者に報告するだけです。この月次会計で得られる情報にも十分な価値がありますが、これはあくまで過去の実績や成果でしかなく、経営者が将来の正しい経営方針の決定をする上で十分な情報ではありません。

このためMAS監査では、経営方針を決定するために必要な情報を数値的に示し、そして会社の経営サイクルを確立させることを目標としています。

MAS監査それ自体は、会社の利益を直接上げるものではありませんが、会社の未来のあるべき姿を具現化して、その目標に向かって今何をすべきかを考えて実行するための手助けをして、その結果利益を出せるようになることを目指しているのです。

まずは経営計画の立案

初めに、その会社の強み、および課題を整理し現状を分析していきます。そして、経営理念や経営目標を踏まえた上で、今後どの分野に会社の力を注いで勝負していくのかを決め、3〜5年の中期的な戦略と数値計画を含めた事業計画を作ります。

この中期経営計画を元に、今年1年間、目標とする売上高や、会社の経費や設備投資などの資金繰りをシミュレーションしていきます。

ここで、今現在の立ち位置と、将来の会社のありたい姿を比較することで、そこにあるギャップや問題点が見えてきます。それらを考えた上で、目標に向かうために必要な会社、部門、個人それぞれの具体的な行動計画を作り上げ、経営全体の見通しを決定させます。

これによって、これまではどんぶり勘定の経営判断をしていた会社を、より先を見据え、無理のない判断のできる会社へとしていくことができるのです。

計画を実行し、その結果を検証する

中期、単年計画が決定したならばそれを社員全員で共有する必要があります。目標達成に向け、会社が一丸となって計画に取り組まなければならないからです。

そして、計画が実行されても、計画と実績のズレを見逃さないことも大事になってきます。

MAS監査では、このズレを早い段階で克服するために、計画で達成できたことを確認し、達成できなかった要因の発見と対策を行う「先行管理」のサポートもします。これによって、数値目標と達成数値の差異を無くしていき、当初の経営計画が達成できるようにしていきます。

そして、1年の決算が確定した後も、さらなる会社の改善点を浮かび上がらせ、経営のリスクを改善させる方策を見つけ出していきます。

こうして分かった課題を元に、また新たな経営計画を建て、その計画が達成できるよう管理していく、このサイクルを作っていくことがMAS監査の最終目標になるのです。